単位を入力したら集計できない…?
Excelで数値に「円」や「kg」といった単位をつけたいとき、ついセルに直接「100円」「50kg」と入力していませんか?
見た目はわかりやすくなりますが、そのままだとExcelが数値ではなく“文字列”として認識してしまうため、合計や平均などの計算ができなくなります。
「なぜかSUM関数で合計が出ない…」というトラブルの原因が、まさにこれです。
原因は「文字列」化!
Excelは、セルに数字と文字が混ざっていると、それを「文字列」として扱います。
たとえば「100円」と入力すると、それは“100”という数値ではなく、“100円”という文字列 と認識されます。
結果として、以下のような現象が起こります。
=SUM(A1:A5)
→ 計算されない- グラフに反映されない
- 並び替えやフィルターが正常に機能しない
業務でExcelを使う場合、これは地味に痛いミスです。
ユーザー定義で単位付き表示を実現
この問題をスマートに解決してくれるのが、「ユーザー定義」という機能です。
ユーザー定義では、数値のまま扱いつつ、見た目だけに単位をつけることができます。
▼操作手順はこちら:
下の表に単位をつけていきます

1.単位をつけたいセル範囲を選択
2.右クリック →「セルの書式設定」

3.「表示形式」タブ →「ユーザー定義」
4.「種類」に以下を入力して「OK」
例:
#,##0"円"
→ 1,000円と表示0.0"kg"
→ 50.0kgと表示0.00" km"
→ 123.45 kmと表示


この設定により、下のように単位が表示されるようになります。

書き方のコツと具体例
ユーザー定義で単位をつける際には、“(ダブルクォーテーション)で単位部分を囲むのがポイントです。
書式 | 表示例 | 意味 |
---|---|---|
#,##0"円" | 1,000円 | カンマ付き整数+円 |
0.0"kg" | 50.0kg | 小数1桁+kg |
0.00" km" | 123.45 km | 小数2桁+km |
#,##0" 円(税込)" | 5,500 円(税込) | 複雑な単位もOK |
必要に応じて、単位の前にスペースを入れると見やすくなります。
この方法を使うメリット3つ
✅ 1. 計算や集計が可能
見た目は単位付きでも、中身は数値のままなので、合計・平均・グラフ作成などがスムーズに行えます。
✅ 2. 入力ミスを防げる
「100円」と手打ちすると、誤って「1000円」や「100g」と入力するリスクがありますが、ユーザー定義を使えば、数値だけ入力して単位は自動で表示されるため、ミスが減ります。
✅ 3. 表や資料の見た目が整う
単位がすべて統一された状態で表示されるので、見た目が美しく整った表になります。印刷資料やクライアントへの提出にも最適です。
注意点とちょっとした裏ワザ
- 単位付きでも、他のセルと同じように関数が使えます(例:
=A1*1.1
など) - 単位を変更したくなったら、セルの書式設定を開いて変更すればOK
- 単位付き文字列と、ユーザー定義での表示はぱっと見は同じでも中身が違うので注意
裏ワザ:
条件付き書式と組み合わせると、たとえば「100kg以上なら赤文字」などの強調表示も可能です。
まとめ:計算も見た目も妥協しないExcelテク
単位をつけたいときは、セルに直接入力するのではなく、「ユーザー定義」で表示形式を工夫しましょう。
- 「文字列化」によるトラブルを防げる
- 集計や計算もスムーズ
- 見た目もキレイに整う
ちょっとした設定でExcelがもっと便利になります。ぜひ、業務や日々のデータ整理に取り入れてみてください。
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